2020.09.26(土)
パグの短い被毛は冬になるとなんだか寒そうで不憫におもえてしまうという声や風邪をひいてしまわないか心配という方が少なくありません。
中には寒い季節になるとたびたびパグが鼻水を垂らしていて心配という方もいるでしょう。今回はパグのように短毛種な犬の寒さ対策について詳しくご説明させていただきます。
短毛種の犬はたびたびこのような質問が寄せられます。さらに冬は毎日洋服を着せるべき?と気になっている方もいるでしょう。
犬は本来自然界の寒暖に耐えうる体をもっています。もちろん被毛の構造や長さ、犬自身の年齢や体調によって寒さから受けるダメージは様々ですが、弱いというほどか弱い存在ではありません。
ただ犬は寒暖差にはとても弱いので注意が必要です。
寒暖差とは家族と過ごす温かく快適なリビングと散歩に出かけた時に感じる屋外の寒さのことです。室内の温度は冬でも25度前後に保たれ、暖房器具や床暖房、愛犬には専用のベッドなども用意されているでしょう。
家族に寄り添い眠ると設定室温よりもさらに温かさを感じています。
でもこの部屋から一歩屋外に出るとその気温は10度以下は当たり前です。早朝であればさらに気温は下がっています。この時の気温差は20度を超えることもあります。つまり部屋から一歩外に出るということは、一瞬で季節が春から冬に変わってしまうということです。
このような急激な温度変化は当然自然界では起こりえないことですから、パグが気温差にダメージを受け風邪を引いたり、咳や鼻水が出たり、もちろん散歩に出かけたくないとアピールするのも当然なことです。
特に高齢なパグにとってこの突然の寒暖差は心臓に負担がかかるので注意してあげましょう。
様々な理由からパグの外飼いを考える方もいるでしょう。しかしパグは外飼いに向く犬種ではありません。これはパグが短毛だからではありません。
パグの歴史をさかのぼってみると、パグの起源は中国の王宮にまでたどり着きます。パグは大変高貴な存在として時には海外との外交にまで用いられた歴史があります。
つまり屋外で番犬をするために輩出された犬ではありません。当然被毛や体の機能は外飼いに適した性質をしていません。
パグはチワワなどの他小型犬に比べ体形がどっしりとしていて、物事に動じない性格からつい外飼いでも問題ないのではないか、体が丈夫な犬ではないかと誤解されますが決してそうではないと理解しておきましょう。
日本でもほんの30年ほど前までは犬を外飼いすることが当たり前とされていました。そのため犬を室内飼育することは甘え、過保護という意見もまだまだたくさんあります。しかし当時屋外で飼われたいた犬の多くは日本犬など元来屋外で番犬として暮らす犬達です。
被毛は2層構造で寒さに強く、忍耐強く独立心の強い性格で、敵を見つけた時はその強靭な体で追い払うことも厭いません。
高貴な方々に可愛がられ、王宮で暮らすパグとは全くの別種であることがわります。
パグは寒さに弱いから、体が弱いから外飼いに向いていないのではなく、もともと外飼いすべき犬ではありません。
パグがどんなに寒暖差に弱いからといって毎日の散歩を控えることは解決策にはなりません。好奇心旺盛で遊び好きなパグにとって毎日の散歩はとても大切な時間です。
パグにオススメの寒さ対策は
・屋外に出るときは洋服を着せる
・室内ではペット用ヒーターを使う
・天気のいい日は日向ぼっこを十分にさせる
これからはの寒い季節は家族が外出時に上着を着る期間は愛犬にも上着を着せてあげましょう。寒暖差から体を守るための上着ですから通気性の低い、保温効果のある素材がオススメです。
散歩やドッグランなどで愛犬が外気の温度になれ、活発に動きまわるようになったら都度上着は脱がせてあげましょう。
室内ではベッドやマットなどと一緒にペット用ヒーターをおいておくと安心です。エアコンの温かい風は自然と天井付近に集まってしまい、パグが過ごす床付近は想像以上に温度が低くなっています。高齢の愛犬にはこの冷たい床付近の室温も体へのダメージになります。
ペット用ヒーターはペットの安全を考え電源コード部分の補強や丸洗いできる素材など様々な工夫がされています。人間用に比べ若干高額ですが、購入後は何年に繰り返し利用できるので必ずペット専用製品を用いましょう。
昔ながらの方法ですが、寒い季節だからこそ日向ぼっこをたくさんしたり、暖かい時間帯に散歩に出かけたりという習慣を心掛けましょう。この方法は手軽にできるうえ、全身に太陽を浴び新陳代謝が向上したり、皮膚トラブルの予防にもつながります。
愛犬と一緒に出掛けることで家族の健康増進にもつながります。
寒い日は室内にこもりがちになってしまうものですが、ぜひ積極的にパグとのお出かけの時間を作ってゆきましょう。