多数の生き物で繁殖をしている以上避けては通れない事も多々あります。産まれてくる犬をたくさんご紹介し販売しておりますが、今回は全く逆の死について述べたいと思います。
一見すると出産が光であるならば死は闇と捉えたくなります。継続的に出産をご報告している中でその数割は死を迎えている現実があります。これは必ずしも老衰による死のみではありません。複数子出産する動物は生存率もその数に反比例する形を取ります。人間の場合、1産1子が通常で乳幼児死亡率は日本の場合、1%未満と聞いたことがあります。 犬の場合はそれほど死亡率は低くありません。また人間並みの医療も整っていない為、時として原因不明の死亡があります。
成長してからの原因不明の死亡は稀ですが幼齢期には高くなります。これは全体的なはっきりとした統計が取れていませんので犬舎によって地域によって血統によってもかなりの差があることと思います。無念にもこの様な死を迎える子犬は簡単に減るようなものでもありませんが、私は常に原因を解明する事こそ当犬舎の生存率の向上に繋がると思っています。原因不明の死は子犬の場合、仕方ないとして詳しく解明しようとしないのが通常ですが、私はそのような死の場合は原因を探る為に常に解剖します。
解剖した所見で原因が分かる事もあれば一見しただけでは分からない事もあります。その時は病理検査専門機関に臓器を提出し原因を探ります。これには1臓器につき数千円の費用がかかりますが、原因を知る事こそが今後の生存率を上げ繁殖者として最善を尽くす事だと思っていますので少々費用がかかりますが検査を依頼します。ウィルス性や細菌性、神経系など目に見えにくい原因でも組織を見る事で原因がはっきりします。これは人間とほぼ同じ水準で検査結果が上がってきます。
下の画像は左から腎臓・小、大腸・肝臓・脳・心臓です。ホルマリン固定しています。生後2ヶ月のフレンチブルドッグの臓器(頭骨は別)
大体これらの5臓器を検査に出すとある程度の答えが得られます。その答えに基づき予防や改善策に対し直結的に手をつけることが出来るようになります。写真にあるものはボストンテリアの頭蓋骨です。他にも全身の骨格標本や靭帯や神経などの組織を一部固定した標本も製作していますがこれはあまりにもですので写真ではお見せできません。
以前読んだ本で野生動物の研究者が山に入る時は必ずポリ袋を持参し遺体を見つければ持ち帰り解剖し標本を作ると書いていました。なぜならばその遺体からは様々な痕跡や情報を得る事ができその生物を知る最高の教科書になるからだとも書いていました。
常に解剖を行う遺体に対し尊厳を持って扱い知識の糧とし今後の繁殖の指針を導く印となってもらいたいと思っております。この犬の骨格はあーだこーだと知らずして説明はできませんからね。遺伝子は受け継がれるので解剖する事により正確に長所や欠点を把握し劣性遺伝子を継承しない事も目的のひとつです。
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