2020.07.26(日)
生後間もない子犬は、どんな些細な仕草も可愛さあふれていますね。でも遊びの合間に不意に噛みつかれた時、あまりの痛みに驚いた方も多いでしょう。子犬の歯はまだ先端が鋭く尖っているうえに、力加減も知らずつい本気で噛みついてしまうことがあります。ただ噛み癖は生後3~6か月ほどの期間に限られた一時的なもので、正しくしつけをすることで、子犬特有の噛み癖を改善することはできます。子犬にはこれから家族と仲良く暮らすための基本的なルールを家族が親犬や兄弟犬に代わり教えてゆきましょう。
生後3か月ほどの子犬は、じゃれ合い遊びの合間はもちろん家族に抱っこされているとき、撫でられているときに不意に力強く噛みつくことがあります。この時、あまりの痛みについ感情的に叱ってしまったりすることもあるでしょう。
子犬のしつけがなぜ起こるのか?どう対処すべきか?を知っておくことでお互いがストレスを抱えずに過ごすことができるはずです。
この時期の子犬の噛み癖は「甘噛み」と呼ばれます。甘噛みが起こる原因は
〇乳歯が永久歯に生え変わるタイミングで歯や歯茎に不快感がある、ムズ痒いから
〇固いもの、噛み応えのあるものを噛むことで、歯の生え変わりを促進する効果があるから
という身体的な発育にともなうものと
〇成長とともに自分の力を試したいと考えているから
〇噛みつくときの力加減がまだわからないから
〇単に遊びの一環と考えているから
という2つの理由があります。
子犬はこの時期、親犬や兄弟犬とじゃれ合い、喧嘩し合い暮らします。この経験をもとに他犬への接し方、噛む時の力加減、自分自身の順位など様々なことを学習します。しかし親犬や兄弟と別れ暮らしている場合、この学習の機会が不足してしまいがちで、力加減無しで相手に接してしまうのです。
歯の生え変わりは生後3か月前後でほぼ完了します。しかし精神的な発育に関係する噛み癖は、しつけ方を失敗すると、成長後も噛み癖となり継続する場合もあるので注意しましょう。
ボストンテリアのように犬種名に「テリア」とつく犬は「テリアキャラクター」と呼ばれる特有の性格をもっています。
テリアキャラクターの特徴は
〇賢い
〇飼い主に従順
〇明るい、テンションが高い
という「誉め言葉」の部分と
〇頑固
〇負けず嫌い
〇喧嘩しやすい
〇自己主張がはっきりとしている
という「難しい」とされる部分とがあります。
ボストンテリアのしつけをするときは、このような犬種特有の性格を理解しておくとスムーズです。
ボストンテリアの子犬の噛み癖のしつけ方のポイントは
〇家族の手や足でじゃれあい、遊ばせない
遊ぶときはオモチャなど「噛んでもいいもの」を使い遊ぶ
〇噛みついた時に騒ぐ、逃げる、甲高い声をあげるということをしない
噛みつかれた時に騒ぐと、子犬をますます興奮させてしまう
〇噛みつかれたときに、子犬を叩かない
子犬を叩いたり、体罰を与えると子犬は「戦闘モード」になり、歯のむずがゆさのための甘噛みではなく、家族に攻撃や敵対心を持つようになります。
ボストンテリアは大変賢く、理解力が高い犬種なので、
〇してもいいこと
〇してはいけないこと
を家族が明確に伝えることで必ず理解することができます。
オモチャやガムで遊んでいるときは多いに褒め、噛んではいけない場所を噛んだり、家族の手や足を強く噛んだ時は、短い単語「ダメ」「NO」などで即座に叱りましょう。
ボストンテリアに限らず子犬はどんな犬種でも甘噛みをします。ただ甘噛みは乳歯が抜け、永久歯が生えそろうことで自然と消滅します。
一時は手に小さな傷ができたり、あまりの痛みに子犬との暮らしに不安を覚えたという方でも、気が付けば甘噛みは笑い話になるほどです。
新たに生えそろった永久歯は先端が丸みを帯びていて、甘噛みの時の永久歯のように鋭利な形状ではありません。
ただ中にはこの甘噛みが生後半年、一年と経過しても消滅せずに継続するケースがあります。実はこのケースは甘噛みではなく、すでに「噛み癖」という問題行動に変化しています。
噛み癖は
〇家族が愛犬の食器に触れようとした時
〇オヤツを与えようとした時
〇爪切り、耳掃除などのお手入れをしようとした時
〇ハーネスや洋服の着脱の時
〇ハウスやキャリーバックに入れようとした時
など愛犬が「不快」「気に入らない」と感じた瞬間に起こりがちです。つまり愛犬が感情表現の1つの方法として行っています。
このような問題行動が習慣化してしまうと、家族も次第に愛犬と距離ができ、どう接したらいいのかと戸惑ってしまうでしょう。
このような時は、家族だけで思い悩まずにドッグトレーナーに相談をして、しつけなおし方を身につけましょう。
しつけ方、接し方、扱い方がわかれば、お互いがストレスを感じずに楽しい生活に戻ることが必ずできるはずです。