2020.11.05(木)
フレンチブルドッグの寝顔の癒し効果は抜群ですよね。目にした瞬間になんだかほっこりとした気持ちになること間違いなしです。
この寝顔に魅了され、フレンチブルドッグを家族に迎えようと決断された方もいるのではないでしょうか?
でも実際に家族に迎え、間近で寝顔を眺めていると、驚くほどの大音量でいびきをかき驚かれたことでしょう。実はこのいびきはフレンチブルドッグのような顔立ちをする犬達共通の特徴です。
フレンチブルドッグがなぜいびきをかいてしまうのか?病気では?というご心配について詳しくご説明させていただきます。
フレンチブルドッグのご家族の方からあまりのいびきの大音量さに、うちの愛犬は病気では?とご相談を受けることがあります。でも過度なご心配はご無用です。
実は成犬のフレンチブルドッグのいびきはまるで大人の男性がいびきをかいているのではと勘違いするほどに大音量なこともあります。
大きな口をあけ熟睡しながらかくいびきはまさに人間そのままです。
フレンチブルドッグのいびきは特徴的な顔と喉の構造に原因があります。
原因にはいくつかのケースがあり、代表的なものは
〇鼻が短い顔立ちの犬種は気管と食道を区分する弁のサイズが他犬に比べ大きい場合が多く、気道がふさがれてしまう
〇気道が短い
〇鼻の穴が狭く空気が通りにくい
大きな口と鼻の穴や気道とがアンバランスなため、日ごろから呼吸が荒くなったり、軽い運動の後でも息切れをしてしまうのもこのためです。
日常生活に支障がない程度であれば手術等も必要なく、安心して暮らすことができます。
このいびきもフレンチブルドッグならではのチャームポイントとして笑って受け止めてあげてください。
フレンチブルドッグに限らずパグやボストンテリア、シーズーといった鼻が短い犬種はいびきや荒い呼吸をたびたびします。
ただ中には、鼻の穴が過度に狭いことや気道、弁の肥大が許容範囲を超えてしまい手術を必要とする場合もあります。
日常生活の中で
〇呼吸が苦しく散歩や室内での移動でも負担がかかっているように感じる
〇呼吸が一時的に止まってしまっているように感じる
〇過度に呼吸が浅く早い
〇立ち止まり、ぜーぜーを苦しそうな呼吸をする
もし愛犬が呼吸をするだけでも苦しそう、体に負担がかかっているようにみえる時は、動物病院をすぐに受診してください。
病気や肥満、加齢によって病気を発症し、症状の1つとしていびきの悪化が起こっていることもあり得ます。
フレンチブルドッグは食欲旺盛で肥満になりやすい犬種ですが、過度な肥満は気管や喉、心臓に負担がかかり呼吸の悪化にもつながります。
気になる症状やいつもと違うと感じる時は、早急な受診を心掛けましょう。
夜は愛犬のいびきで起こされると一見笑い話のような相談もフレンチブルドッグならではです。愛犬と一緒のベッドで寝ているものの、あまりの大音量の起こされてしまうという方もいるほどです。
でも人間のいびき同様にフレンチブルドッグのいびきも100%静寂にするための対処法はありません。人間のように睡眠中に口をふさぐ方法も犬には用いることができません。
家族の安眠のためにできる対処法は
〇夜間はクレートに入れ別部屋で寝かせる
〇愛犬用マクラを用意する
〇愛犬の肥満を解消する
フレンチブルドッグの中にはマクラを上手に使うタイプもいます。この場合、睡眠中の姿勢が整い気道に空気が通りやすくなるので、多少のいびき改善につながる場合もあります。
ただ一方で、ヘソ天と呼ばれるあおむけで大胆に寝るタイプが多いのもフレンチブルドッグならではです。マクラを一晩中使い続けてくれるかどうかは確約はできない方法です。
もしあまりの大音量のいびきに悩まされている場合は、愛犬は別部屋で就寝してもらう方法が一番確実な対処法です。クレートやサークルを用意し、夜間はこの中で過ごしてもらいましょう。一見、かわいそうと思える方法ですが、クレートやサークルで就寝や待機するしつけができているとレジャーや旅行やもちろん災害や入院時にもとても役立ちます。
しつけという意味でもこの方法は一番オススメの対処法です。
また肥満は喉周辺の脂肪が気道を圧迫してしまい、ますますいびきを悪化させる場合があります。愛犬が適正体重を上回っている場合は、食事制限をメインとしたダイエットを行い、気道周辺の脂肪を解消してゆきましょう。
フレンチブルドッグのいびきは愛犬がそれだけ安心できる環境で熟睡できているというサインでもあります。大音量すぎる点は難点ですが、愛犬のチャームポイントと思ってあげましょう。