2020.11.05(木)
フレンチブルドッグと暮らしている方からは、これまでに一回も鳴き声を聞いたことがないという話やどんな場面でも吠えないという話が聞こえてきます。
小型犬といえば無駄吠えが多いや甲高い声で鳴くので騒音が心配というイメージが強いので、フレンチブルドッグの習性になぜ?と感じますね。
実はフレンチブルドッグが滅多に鳴かない、吠えないといわれるのはフレンチブルドッグの特徴的な体形からくる驚くほどの理由があります。この理由を知っておくと安心してフレンチブルドッグを家族に迎えることができるでしょう。
フレンチブルドッグはあまり吠えない犬種といわれています。フレンチブルドッグ以外にもパグやボストンテリアなど鼻が低く短い顔立ちの犬種は比較的吠えにくいタイプです。
実はフレンチブルドッグが吠えずにいられるのは、特徴的な体形に理由があります。
フレンチブルドッグの弛みのある皮膚は、敵から攻撃を受け噛みつかれた時に致命傷を負わずに済むように内臓や筋肉を守る機能をはたしています。厚手の洋服を着ているような、防弾チョッキのような役割です。
このたるんだ皮膚のおかげで怪我が皮膚表面だけで済めばダメージも少なく回復も短期間で進みます。
重量感ある胴回りは、敵に衝突しても安定感を保ち体へのダメージを軽減してくれます。細く長い足は敵の周辺を俊敏に走りまわる上で抜群の機能性を発揮してくれます。
もちろん低い鼻も可愛いだけではありません。鼻は犬の急所ですが低いので相手に噛みつかれることもありません。その上、上向きに鼻があることで敵に噛みついたままの姿勢でも呼吸が苦しくならず攻撃を続けることができます。
フレンチブルドッグはその名前の通り、闘犬種のブルドッグの血を受け継いでいるので、このように体は想像以上の高機能です。
だからこそ些細なことでが致命傷を負う心配がないと自覚できているので、おおらかに穏便に過ごすことができ無暗に吠えることもありません。
もちろんフレンチブルドッグのすべてが吠えない、温厚な性格に育つわけではありません。中には他犬を見ただけで激しく吠えてしまうタイプや威嚇や攻撃的な態度を見せるタイプもいます。
このような性格に育ってしまう理由は生後半年未満の子犬期の環境が大きく影響しています。
好ましくない環境は
〇散歩の時間が少ない
〇毎日同じ道順、同じ時間で散歩に出掛けている
〇シャンプーやお手入れはすべて家族で済ませている
〇ペットホテルに預けずに家族や知人が常に傍にいる
〇他犬とふれあい、じゃれ合う機会が少ない
〇留守番の時間が多い
〇室内ではサークル内で過ごす時間が多い
犬は生まれてから1年という短い期間に人間の18歳相当の精神的な成長を遂げます。つまりこの最初の1年に様々な経験をさせたり、他犬や家族以外の人間に出会い、遊び、時には喧嘩をしたり、我慢を覚えることで周囲との付き合い方、社会での暮らし方を身に着けてゆきます。
散歩やお出かけは毎日の習慣になり、気がつけば同じ内容ばかりになっていませんか?
毎日の散歩の時間を10分前後させるだけで、顔を合わせる人も犬も騒音も一変します。遠出をしなくても簡単な方法で愛犬の経験値を上げることができます。
生後半年の期間にたくさんの社会経験を積むことで、フレンチブルドッグは社会や周囲への警戒心や敵対心を解消することができます。
犬が吠えるのは恐怖や緊張、不安を覚えているからです。毎日の生活やお散歩、レジャー、ドッグランで愛犬が恐怖や緊張、不安を感じることなく、吠えずに暮らすことができるように積極的に社会経験を積んでゆきましょう。
愛犬がまるで吠えないと心配な気持ちになり、しつけ教室へご相談が寄せられることがあります。犬は吠えるもの、子犬は夜泣きをするもの、近所のフレンチブルドッグはいつも吠えているのにと様々な理由から不安を感じられる方もいるでしょう。
フレンチブルドッグがまるで吠えない理由を病気や心臓疾患、耳や目の先天的な疾患と関係づけ不安を募らせてしまう方もいます。
でもこれはフレンチブルドッグならではの傾向でかならずしも病気のサインではありません。
フレンチブルドッグの中には
〇夜泣きをまったくしない子犬
〇小さな子供に乱暴に扱われてもまるで吠えない、嫌がらない
〇他犬を見ても無関心
〇救急車のサイレンなどもまるで無関心
というタイプが少なくありません。もともとおおらかな性格の犬種ですから、些細なことはまるで気にせず、賑やかなリビングでもヘソ天で爆睡してしまうほどです。
もし病気や先天性疾患から声を上げることもできないほどに体調が悪い時は
〇食欲不振
〇下痢
〇嘔吐
〇体重減少
〇元気がない、動かない
などの別の症状も見られます。過度な不安を抱かず、愛犬ならではの性格なのだと理解してあげましょう。
フレンチブルドッグは犬種としての特性や性質、子犬期に十分な社会経験を積むことで、滅多に吠えないタイプに育ってゆきます。
大変知能が高く、しつけの覚えもスムーズなので状況に応じて自身で判断をすることもでき無暗に吠えることもありません。
無暗に吠えないフレンチブルドッグだからこそ、家族と一緒にどこへでも出掛け、一緒にレジャーを楽しむことができ素敵な家族になること間違いなしです。