2021.01.11(月)
うんちの状態は愛犬の健康状態を知ることのできる大切なバロメーターです。うんちの状態と聞くと多くの方は下痢を想像されますが、実は犬も便秘を起こし、便秘も体調不良や胃腸の不調のサインです。
犬にとっても人間同様に便秘は辛く不快なものです。
慢性化しがちな便秘は新陳代謝を低下させ、内臓機能にも負担がかかります。愛犬の便秘の原因とフードとの関係に注目してみましょう。
日ごろから愛犬の健康管理には十分気を付けているという方でも、便秘の症状を見逃してしまっていることが多々あります。その理由は、犬は便秘気味であっても定期的に排便があるからです。
数日間まるで排便が無いというほどに重篤化することは少なく、家族もなかなか便秘という症状に気がつくことができません。
犬が便秘をしている時に見られる症状は下記です。
・排便時にクルクルと動き回る
・排便をする様子を見せたものの途中で中断をしたり、再度排便姿勢になることを繰り返す
・排便時に痛みを訴えるような鳴き方をする
・排便後に床や地面にお尻をこすりつけるような仕草を見せる
つまり排便がスムーズにできず、必要以上に力むことから動きまわったり、何度も姿勢を変え何とか排便を済ませているのです。
健康な状態の犬のうんちはバナナのような形状で、短くちぎれることなく排出されます。
便秘の場合、便が固くスムーズに排出されないので短くちぎれて排出されます。このような点から愛犬が便秘かどうかを見極めてみてください。
フレンチブルドッグが便秘を起こす原因で代表的なものは下記です。
・慢性的な摂取水分量不足
・運動不足
・加齢
もっとも便秘につながりやすい原因が摂取水分量不足です。多くの犬が食べているドライフードは、長期保存と粒の形状維持のために製造工程で含有水分量を10%以下に加工しています。
でも肉や魚、野菜といった食材そのものには本来60~70%もの水分が含まれているので、10%未満になるよう加工した時点で食事から摂取すべき水分量が大幅に不足してしまうということを意味します。
この慢性的に不足してしまう水分量を愛犬が食事とは別に毎日継続して摂取し、なおかつ日常的な飲水も継続しなければ必要量を補うことができません。でも家族が毎日、器に水を汲みおいても愛犬は十分な量の水を飲みほしてはくれません。
この悪循環が続くことで、愛犬の体の中は乾燥状態になり、内臓機能は低下し新陳代謝も低下します。この流れを受け、便秘や皮膚トラブルをいったフレンチブルドッグが陥りやすい体調不良が起こります。
この問題は多くの犬達が直面していますが、フレンチブルドッグは元来皮膚が弱い体質なこともあり、新陳代謝の低下は他犬よりもダメージが大きくなりがちです。
また加齢によって内臓機能の低下や筋肉量の減少が起こると、スムーズに排便をすることができず便秘が慢性化しがちです。
便秘が続くと腸内にガスがたまり、お腹に不快感が続くので中には家族の抱っこや体に触れられることを嫌がるというサインを発するフレンチブルドッグもいます。
フレンチブルドッグの便秘の治し方にはいくつかの方法があります。愛犬の年齢や生活習慣、体質などを考え、無理のない方法で改善を目指してゆきましょう。
効果的な治し方は下記です。
・食事の水分量を増やし、摂取水分量を増やす
・運動の機会を増やし内臓機能を活発化させる
・腹部をマッサージして胃腸に適度な刺激を与え、排便を促す
・乳酸菌入りサプリメントなどを与え胃腸の活動を促す
排便が数日間無い場合や排便時に肛門が裂け出血がみられる場合などは動物病院を受診し、便秘治療薬の処方を受けましょう。
便秘を治すには体の中から改善しなければならないので、どの方法であっても数日、数回で改善を感じられるものはありません。長い目で習慣化してゆくことで、便秘とは無縁な体質を目指しましょう。
便秘がちなフレンチブルドッグにオススメのフードは下記の条件を満たすフードです。
・水分含有量が高い
・添加物や着色料などを配合していない
・適度な価格で購入できる
・愛犬の体質に合いアレルギー発症の可能性が低い
つまり良質なウエットフードがオススメです。フレンチブルドッグはとても食欲旺盛で、食事量も多いのでウエットフードを主食とすることが難しい場合は、ドライフードのトッピングにウエットフードを活用する方法もオススメです。
ウエットフードに茹でた野菜などをさらに加えると量増しができ、摂取水分量が簡単に増えてくれます。
他にもドライフードを水でふやかし与える方法でも簡単に摂取水分量を増やすこともできます。
便秘は慢性化しやすいので、摂取水分量を増やし食事を与える手法は、今後習慣化し長年にわたって継続すると体質改善、便秘予防に効果的です。簡単な方法ですから、ぜひ愛犬の食事法を見直してみてください。