2021.02.18(木)
愛犬から不意に強く不快な臭いを感じることはありませんか?実はこの臭いの元は耳にあります。愛犬の耳の中をのぞいてみると、黒い耳垢がついていませんか?
この耳垢や強い臭いは外耳炎のサインです。外耳炎はかゆみや炎症による痛みをもたらすだけでなく、耳の奥深くにまで雑菌が侵入してしまうこともある怖い病気です。
外耳炎は日ごろのお手入れで予防や軽減することができるので、ぜひ健康管理の1つとして詳しく知っておいてください。
外耳炎は垂れ耳の犬に多くみられます。発症の多い犬種はダックスやプードル、シーズーが代表的で、垂れた耳の中にも長い被毛が伸び続け、通気性が悪く、雑菌が繁殖しやすい環境が揃っていることがその理由です。
ボストンテリアのように耳が立っている場合、垂れ耳の犬に比べ慢性化することは少ないものの、発症リスクはゼロではありません。
耳が立っているから関係ないと勘違いをせずに、定期的なお手入れを習慣化しましょう。
外耳炎の症状は下記です。
◎黒くべたつきのある耳垢が耳内部全体に付着している
◎かゆみがある
◎強く不快な臭い
◎耳掃除をしても数日で、耳垢の付着が目立つようになる
◎耳内部が赤く腫れている
◎耳に触れると愛犬が嫌がる
外耳炎の症状は、自然治癒することはなく日々悪化し続けます。もし上記に思い当たる時は動物病院を受診し、点耳薬などの処方を受けましょう。
市販薬にも外耳炎治療薬は数種ありますが、愛犬の症状を素人目で判断した対処はかえって症状を悪化させてしまう危険があるので、必ず動物病院を受診しましょう。
ボストンテリアの外耳炎の原因は下記が多くみられます。
◎不衛生な生活環境
◎体質やアレルギー
◎ひっかき傷から雑菌が侵入した
外耳炎の原因は様々で、残念ながら特定することはできません。でも原因を特定しないままでは、完治後も再発を繰り返してしまいます。
外耳炎に気がついた時は日常生活で思い当たる点がないかをしっかりと確認してください。
また外耳炎は強いかゆみを伴います。かゆみに任せて愛犬が爪先で耳内部を掻くと、薄い皮膚に無数の傷ができ、患部に雑菌が付着するという悪循環に陥ります。
外耳炎の治療中はもちろん日ごろから、月に1回程度の爪切りを習慣化し、愛犬が爪で自分の体を傷つけてしまわないよう注意してください。
ボストンテリアの外耳炎の治療は動物病院で処方される点耳薬が効果的です。点耳薬とはその名前の通りで、1日数回、耳内部に滴下するだけと簡単な薬剤です。
滴下した薬剤は自然と乾燥するので、拭き取りも必要ありません。大抵の場合、外耳炎は1~2週間の点耳薬の滴下で完治できます。ただ耳内部を傷つけてしまっている場合は、患部の化膿を防ぐために飲み薬も併せて処方される場合もあります。
症状が軽度の場合、数日の点耳薬の滴下で目に見える改善が見られます。でも一見すると完治したように見える場合でも、必ず獣医師の指定した期間は投薬を続けてください。
素人目で判断し、治療を中断してしまうと、実は耳内部の雑菌が残っていることがあり再発や悪化を招きかねません。獣医師の指示のもと、完治の判断が下るまで決められた期間の投薬を受診をしましょう。
また外耳炎は体質とも密接な関係にあるので、完治後も何度も再発することが珍しくありません。でも再発の度に症状に違いがあることも多いので、独断で市販薬を使用したり、以前使い残した薬剤の再利用は控えましょう。
開封後の薬剤は品質が劣化し、本来の効果が得られない場合があるので、外耳炎の兆候に気がついた時は都度、動物病院を受診しましょう。
ボストンテリアの外耳炎の予防には、下記の方法が効果的です。
◎月に数回の耳掃除
◎シャンプー後は綿棒で耳内部に残った水分を拭き取る
◎汚れや悪臭はすぐに動物病院を受診する
耳掃除は、必ずペットの耳掃除専用ローションを使用しましょう。乾いたコットンや綿棒で犬の耳内部を拭き取ろうとすると、薄くデリケートな皮膚を傷つけてしまうことがあります。
耳掃除専用ローションは、コットンなどの繊維を柔らかくする効果とこびりついた耳垢をふやかし拭き取りやすくする効果とがあります。
こびりつき、乾いてしまった耳垢は耳掃除専用ローションで丁寧にふき取ってあげましょう。
ボストンテリアにかぎらず犬にとって耳掃除は決して快適なものではありません。耳はとても皮膚が薄くデリケートで過敏な部位ですから仕方がありません。
耳掃除中は優しく声をかけ続け、耳掃除嫌いにならないよう根気よく愛犬に接してゆきましょう。
耳掃除の方法は動物病院などで指導を受け、正しい方法で安全に行いましょう。