2020.11.06(金)
フレンチブルドッグはとても噛む力が強いという特徴があります。いったん口に咥えたものはなかなか放さないうえに、子犬の甘噛みでさえ想像以上の痛みがあります。
この噛み癖は家族はもちろん獣医師やトリマーへの危険行為にもなるので、悪化する前にしつけで治してゆきましょう。
今回はおもちゃを使い家庭でできる噛み癖を治す方法をご紹介させていただきます。
しつけ教室と聞くとしつけに困っている方や初めて犬を飼う方、意識の高い方が参加するものというイメージがあり、実際に連続して通われている方は少ないものです。
そのため、いざ決心をして通われる方の多くはすでに愛犬の問題行動に悩み、家族だけでは解決できないと感じお問い合わせをいただきます。
フレンチブルドッグのご家族から寄せられる質問でよくある内容は
〇子犬の甘噛み
〇咥えた物を放してくれない
〇食べ物を前にすると豹変してしまう
というものです。特に子犬のうちは様々なものに関心があり、時には家族の衣類や大切にしているもの、飲み込んでしまうと危険なものまで無邪気に咥えてしまうこともあります。
この時、家族が力づくで取り上げようとしても、フレンチブルドッグの顎の力は想像以上に強く、そう簡単に取り上げることもできません。
取り上げに成功した場合でも、怒ったフレンチブルドッグの激しい反撃にあう場合もあります。
フレンチブルドッグのように顎が大きく発達した犬種は、他犬に比べ食いしばる時の顎の力が強いことをあらかじめ知っておいてください。
犬は生後3か月前後で乳歯が抜け、永久歯に生え変わります。この時期、歯茎がむずがゆく様々な物を咬むことでストレスや不快感を解消します。
またこの時期、身体的な成長も目覚ましく自分の思うがままに体が動くようになります。次第に自分の力を試してみたいという思いが強くなり、甘噛みやじゃれ合いを通じて自分のポジションを確立しようとも思っています。
本来であればこの時期はまだ親犬や兄弟とすごすべきとされる時期で、お互いが対等にじゃれ合う中で力関係や甘噛みの加減を覚えるものですが、親や兄弟犬が共に暮らしていない環境では、じゃれ合う相手が家族に限定されます。
子犬は隙あらば家族に噛みつき、時には想像以上の痛みを感じるほどの噛み癖を見せることもあります。この噛み癖は放置するとますます悪化するので、しつけできちんと治しておきましょう。
具体的な方法は
〇無視をする
〇反撃をしない
〇愛犬から見えない場所へ移動する
〇別の行動指示を出す
という方法があります。
フレンチブルドッグの噛み癖を治す時に逆効果となる方法は
〇甲高い声で騒ぐ、反応をする
〇逃げる
〇長い言葉叱る
〇目を見つめる
フレンチブルドッグには先祖代々から受け継いだ闘犬の気質が受け継がれています。相手が弱みを見せたり、反撃をするとその気質が刺激され、闘争モードのスイッチが入ってしまいます。
このような状態になると愛犬と家族との力比べに発展し逆効果ですから、無視をするという方法が効果的なしつけ方といえます。
無視をするということは、愛犬の攻撃がまるで効果がないということを家族がアピールする手段です。愛犬に自分は家族に歯が立たないと理解させることで、攻撃を止めさせます。
もちろん愛犬も早々簡単に諦めてはくれないので
〇手や足でじゃれ合い遊ばせない
〇過度に興奮をさせない
〇噛んでもよいオモチャやガムを用意し常に与えておく
〇犬同士でじゃれあい遊ぶ機会を十分に作る
などの工夫も合わせて行ってゆきましょう。
噛み癖を治すにはただ噛むことを禁止するだけではなく、噛んでもいいものを愛犬に与えることも大切です。
フレンチブルドッグはとても顎の力が強いので、小型犬向けのおもちゃやぬいぐるみはすぐに壊してしまい不向きです。誤飲事故の危険もあるので避けておきましょう。
フレンチブルドッグにおすすめのおもちゃは
〇コング(特殊なゴムでできたおもちゃ、安全性が高く丈夫な知育玩具)
〇引っ張り合いのできるおもちゃ(ロープなど力を発揮し遊ぶことのできるおもちゃ)
〇頑丈な素材で作られたおもちゃ
などです。例えば海外から輸入されている人気のおもちゃには、消防用ホースの素材で作られたおもちゃが人気です。
ネットショップにはフレンチブルドッグ専門店もあるので、ぜひチェックしてみてください。
フレンチブルドッグはとても知的レベルの高い犬種で、様々なことを理解し習得することができます。噛み癖を禁止し、咥えた物を放して欲しい時は、放すを意味する合図を教えておきましょう。
たとえば
〇オフ
〇クリア
〇アウト
などの言葉をドッグトレーナーはたびたび活用します。愛犬が物を咥えてしまい放さない時は、この言葉と共に愛犬に好物のおやつを見せてください。
おやつを食べるためには、口の中の物を放さなければならないので、愛犬が自ら進んで口を開け咥えているものを放してくれます。
この時、ただオヤツを与えるだけでなく、オスワリやマテをさせてからオヤツを与えるとより効果的です。
フレンチブルドッグのように知的で特徴的な気質を持つ犬のしつけには叱ることよりも褒めることや叱らずに済む方法を積極的に取り入れてゆきましょう。