2020.12.10(木)
犬にも様々な病気があり、中には人間とまるで同じ症状、病名のものもあります。その1つがヘルニアです。犬のヘルニアも辛い痛みを伴い日常の歩行や運動に支障をきたします。
フレンチブルドッグにも肥満や加齢など様々な原因からヘルニアを発症するケースが増えています。今回はフレンチブルドッグのヘルニアと手術の関係性に注目してみましょう。
ヘルニアによる痛みは家族が感じる以上に大きい場合がほとんどです。愛犬の様子に異変を感じた時は早急に動物病院を受診し適切な治療を受けましょう。
愛犬の歩き方がおかしい、抱っこをすると痛がる、散歩に行きたがらないなどの様子から不調に気がつく方が大半でしょう。動物病院を受診しレントゲンを撮るとヘルニアの診断が下ります。
この時気になるのは、どうしてヘルニアになってしまったのかということですね。
犬がヘルニアを発症する原因は様々で決して1つに特定できません。いくつかの要素が重なり合い結果として症状となって現れます。
その中でも代表的とされる原因は下記です。
・肥満
・運動不足
・加齢
・滑りやすい床材での生活
・先天性骨格の特徴
・怪我や事故
ヘルニアの症状にはいくつかの段階があり、その段階によって症状は異なります。軽度であれば日常生活に工夫をしたり、予防策を講じることで重症化を防ぐこともできるといわれています。
また肥満や運動不足は症状を悪化させる大きな原因でもあります。
必ずしもすべてのフレンチブルドッグがヘルニアを患うわけではありませんが、日ごろからヘルニアを回避すべく生活に工夫や注意はかかせないと考えておきましょう。
フレンチブルドッグのヘルニアは自然治癒することはありません。ただ痛みの現れ方には差異があり、一日の中で痛みを強く訴える時もあればまるで気にする素振りを見せないときもあります。
でも犬はとても痛みに強い気質があり、痛みを毎日感じる中で徐々に感覚がマヒしてしまったり、痛みを我慢して無理をすることも珍しくありません。一旦悪化したヘルニアが自然と完治したり、痛みが完全に消えることはありませんので油断をしてはいけません。
特にフレンチブルドッグのように食欲旺盛で活発な犬種は食事を前にするとまるで痛みを感じていないかのように元気いっぱいにはしゃいで見せたり、ドッグランで走りまわることもあります。
これは条件反射的にテンションが上がってしまっているだけで、痛みが消えたわけではありません。このような暮らし方を繰り返していると次第に症状は悪化する一方ですから家族は注意してゆきましょう。
一般的に小型犬の外科手術の相場は30万円前後といわれています。ただこの費用は手術費用を意味しています。つまり手術前後の各種検査や術後の入院、経過観察やリハビリの費用は別途生じるという意味です。
フレンチブルドッグに限らずヘルニアの手術後は半年~1年ほど経過観察とリハビリが必要です。もちろんリハビリの進度も回復具合も個体差があり中には数年の通院や再度の手術が必要になるケースもあります。
ヘルニアの手術やその後の治療方法は動物病院によって異なります。必ずしも費用だけで担当医や動物病院を選定することはできないので、お互いが納得できるまで十分な話し合い、診察の時間を設けてください。
ヘルニアの手術はとても難易度が高く、繊細な技術を必要とします。手術を受けたことでかえって症状が悪化したというケースもあります。
治療は早期に行うことにこしたことはありませんが、安易に判断をせずに慎重さも必要です。
また高額な治療費に備えペット保険に加入することもぜひ考えておいてください。症状が発症し診断が下ってからでは保険に新規加入することはできません。
ペット保険は仕組みもサービスも多様ですから獣医師に相談をしてもよいでしょう。
フレンチブルドッグのヘルニアを予防するために家族にぜひ行って欲しい対策は下記です。
・十分な運動
・適度な食事管理
・適正体重を維持すること
・フローリングの床材には滑り止め対策を
・階段や歩道橋の昇降は避ける
・腰に負担がかかる抱き方をしない
・定期的な動物病院の受診
実はヘルニアの予防には運動がとても効果的です。運動で適度な筋肉を維持すると、筋肉が腰を支えてくれるので負担を軽減できるからです。運動は肥満予防にもつながるので、ぜひ習慣化してあげてください。
この時の運動とは家族と朝夕のんびり歩く散歩だけでは不十分です。
ドッグランなどで全力疾走をしたり、犬同士で力いっぱいじゃれ合うことです。フレンチブルドッグのヘルニア予防に今後は目を向けてゆきましょう。