2020.12.01(火)
鼻ペチャでおおらかな性格と愛嬌抜群、甘えん坊とフレンチブルドッグの魅力を挙げだしたらキリがありませんね。どんな犬よりフレンチブルドッグが一番好きという方ならきっと多頭飼いを考えたこともあるでしょう。
今回は憧れのフレンチブルドッグ多頭飼いを始める前にぜひ知っておいて欲しいメリット、デメリットをまとめさせていただきました。
実はフレンチブルドッグの多頭飼いにはメリットがたくさんあります。
まず1つ目は対等に遊べる相手ができることです。一見当たり前に感じることですが活発で遊び好きなフレンチブルドッグにとってとても大きな意味があります。
フレンチブルドッグとドッグランに出かけると、小型犬エリアへの入場を案内されます。でも周りの小型犬はフレンチブルドッグに比べ各段に小さく華奢です。活発なフレンチブルドッグが近づいたり、じゃれ合うとそれぞれの飼い主はヒヤヒヤした気持ちが尽きません。
フレンチブルドッグほどに活発で運動神経が抜群で、骨格もしっかりとした犬種であれば大型犬エリアでも十分に満喫できますが、ドッグランには安全に配慮した決まりがあるので飼い主の独断ではなかなか判断できません。
もちろん大型犬エリアで遊ばせている飼い主さんからも小型犬の参加は事故の危険を感じ好ましくないと思われてしまうでしょう。
フレンチブルドッグは小型犬とはいってもとても活発で相当な運動が欠かせません。家族と一緒に朝夕のんびり散歩をする程度では慢性的な運動不足に陥り肥満や無駄吠え、自傷行為などの問題行動につながることもあります。
多頭飼いなら自宅はもちろんお出かけ先でも同居するフレンチブルドッグ同士で気兼ねなく思い切りじゃれ合い遊ぶことができます。遊び相手がいるということはフレンチブルドッグの多頭飼いで何よりにメリットといえるでしょう。
他にもフレンチブルドッグの多頭飼いにおけるメリットは
〇留守番中のさみしさを軽減できる
〇愛犬同士の微笑ましい姿を目にすることができる
〇家の中が賑やかになり明るい雰囲気になる
多頭飼いは憧れるものの始めるまではいろいろと思い悩むことも多いでしょう。でも実際に始めてみると意外にスムーズに進むものです。気がつけばまるで何年も一緒に過ごしているような愛犬同士の距離感に感激するでしょう。
フレンチブルドッグの多頭飼いには当然のことながらデメリットもあります。これはフレンチブルドッグの多頭飼いに限ったことではありません。
多頭飼いを始めるということは、ある日突然自分の縄張りに見ず知らずの存在が立ち入り、生活を始めるということです。家族の関心がこれまで自分にだけ向けられていたものの、ある日突然ライバルが登場するということです。
食事を横取りされてしまうのでは?ベッドをとられてしまうのでは?と先住犬にとっては様々な不安がよぎります。
人間でもある日突然他人と同居生活を始めることになれば戸惑いや不安、当然ストレスも感じますが愛犬も全く同じことです。顔を合わせたその日から相性抜群で仲良く暮らせるわけはありません。
多頭飼いと聞くと犬同士で寄り添い眠る微笑ましい姿やじゃれ合い遊ぶ姿を想像しがちですが、あのような関係性は多頭飼いを始めてから時間をかけて徐々に犬同士の関係性が築かれた結果です。
この点は多頭飼いを始めるにあたって飼い主の側がしっかりと理解をし、焦らずに見守ることが大切です。
多頭飼いで起こるデメリットは
〇散歩の手間が増える
〇飼育費用が増える
〇無駄吠えがより一層悪化する
〇抜け毛やお手入れの手間が増える
などがあります。どれもデメリットでもあり、飼い主の楽しみや醍醐味ともいえる部分です。
実際の多頭飼いで何よりの心配事はケンカでしょう。犬は群れで暮らす習性を持つ動物ですから無暗に相手とケンカをすることはありません。
同居する犬同士がケンカをする理由は
〇初対面
〇餌の取り合い
〇ベッドやオモチャなど物の取り合い
〇飼い主へのやきもち
〇3歳前後未去勢のオスによる縄張り主張
などがあります。自宅内で起こるケンカの多くは飼い主の工夫次第で予防ができます。
例えば
〇食事はそれぞれのサークル内で与え、相手からの横取りなどの心配を未然に防ぐ
〇ベッドはそれぞれに専用の物を用意する
〇オモチャは取り合いにならないよう複数個用意する
〇トイレは屋外で済ませ室内でのトイレ、マーキングはさせない
未去勢のオスの場合、事前に去勢手術を済ませたうえで多頭飼いを始めることをお勧めします。
フレンチブルドッグの多頭飼いには大変なことも必ずありますが、それらを上回る幸せな気分や癒される瞬間が溢れています。活発で遊び好きな犬種だからこそ、友達や遊び相手作りを前向きに考えてあげましょう。
多頭飼いを始めるタイミングは、愛犬がまだ若く活発に活動できる時期がオススメです。一緒にじゃれ合い遊ぶ中で、時にはケンカもしながら徐々に仲良くなってくれるはずです。
多頭飼いの相性や性別の組み合わせ、始めるタイミングなどはぜひお気軽にご相談くださいませ。
2020.11.25(水)
体が丈夫で飼いやすく、性格も大雑把な印象のあるフレンチブルドッグには外飼いできる?という質問がたびたび寄せられます。犬は好きなのものの抜け毛や家族のアレルギー、トイレの失敗が気になるというご家庭では、外飼いをしたいという希望も当然でしょう。
結論から先に申し上げるとフレンチブルドッグの外飼いは不可能ではありませんが、おすすめできるものではありません。外飼いによってどのような問題が起こるのか、なぜ外飼いに向かないのかを詳しくご説明させていただきます。
フレンチブルドッグの体形は重量感があり他小型犬に比べ各段に丈夫そうな印象を受けます。これだけしっかりとした体形をしているのなら外飼いでもOKでは?と感じてしまうのも当然なことです。
でもフレンチブルドッグと外飼いに向く犬とでは被毛の構造がまるで異なっています。
外飼いに向く犬といえば
〇柴犬に代表される日本犬
〇シベリアンハスキー
〇セントバーナード
〇グレートピレニーズ
などです。これらの犬種は体の大きさだけでなく、被毛が二層構造になっています。下層の被毛はフェルト状で寒気が体を冷やすことを予防し、体温を上手に活用し体を寒さから守ってくれます。
でもフレンチブルドッグの被毛は通気性のよい固い被毛一層のみです。人間であれば真冬にインナーを着用せずにTシャツ1枚で屋外で過ごすような状態です。寒い風が体に直接届き、数分でも耐えがたいでしょう。
犬は外飼いができるという情報は数十年前の日本の話です。当時は日本犬を祖先に持つ雑種や日本犬が大多数を占め、ほとんどの犬は寒さに耐えうる二層構造の被毛をもっていました。
海外の温暖な地域で輩出され、日本で暮らし始めたフレンチブルドッグは軟弱だからとう理由で外飼いに向かないのではなく、そもそもの身体構造が寒さに強い日本犬達とは違うということを理解しておきましょう。
フレンチブルドッグは外飼いができるかと聞かれたら、NO!と断言できます。でも犬ですから外で飼うことは不可能ではありません。
それでもあえてフレンチブルドッグは外飼いができないとする理由は
〇暑さに弱い
〇寒さに弱い
〇デリケートな皮膚を持つ体質
〇甘えん坊な性格
つまりフレンチブルドッグは外飼いでは決して幸せな暮らしを送ることができないからです。フレンチブルドッグのように鼻が短い犬種は体温が上がりやすく、暑さにも大変弱いです。ここ数年の日本の夏の気温は40度を超えることもあります。
犬を外飼いしていたのは数十年前の日本です。当時は現代ほど夏の気温は高くなく、熱帯夜という言葉さえありませんでした。夏は日陰に移動すればそれなりに暑さに耐え暮らすことができました。でも今は気候自体が大きく変わり当時の常識は通用しません。
外飼いの暮らしでは日当たりのいい場所、風通しの悪い場所に犬小屋があれば体感温度はさらに上がってしまうでしょう。
また天気の悪い日や寒さ、暑さの厳しい日にだけ屋内に入れ、屋外と屋内を使い分けるのは?と考える方もいるでしょう。この方法も犬にとっては好ましくありません。
なぜなら犬の立場からはいつ屋内に入ることができるのか?を判断できないからです。犬はただひたすらに屋内に入れてもらえるのではと期待感を膨らませ家族の様子をうかがっています。このような犬の気持ちからも外飼いをNOとする理由を理解していただけるでしょう。
フレンチブルドッグとの暮らしでは外出時の寒さ対策を徹底してゆきましょう。実は犬にもヒートショック症状が起こることがわかり、様々な専門家が注意を呼びかけています。
犬のヒートショック症状も人間とまるで同じ仕組みで起こります。暖かい部屋から突然、寒い屋外に散歩に出ることで急激な寒暖差を感じ、心臓に負担が加わるという仕組みです。場合によっては散歩後に突然死をする犬もいるほどです。
フレンチブルドッグに限らず室内で暮らす犬達は、室内では25度以上の暖かい部屋で過ごし、散歩に出かける時はマイナス気温や5度以下という厳しい環境で突然運動を始めることになります。
同じ室内で過ごしていた家族は当然のことのように上着やコートを羽織るでしょう。犬達にも寒い屋外へ出かけるときには上着やコートがかかせません。
散歩は犬にとってうれしいことですから、どんなに寒い日でも雪の日でも無邪気にはしゃぎ、激しい運動をすることもありますがその背景には思いもよらぬ危険が潜んでいることはしっかりと覚えておきましょう。
フレンチブルドッグの寒さ対策は、お出かけ時に洋服を1枚着せてあげると効果的です。
着せるべき洋服は
〇通気性が低い
〇軽量
〇動きやすい
この3つのポイントを意識して選びましょう。例えばダウンジャケットのような洋服がオススメです。寒い空気が体に届くことを防ぎつつ、活発なフレンチブルドッグの行動を妨げずに済むからです。
ぜひ今年の冬は寒さ対策も兼ねた愛犬のおしゃれを楽しんでみてください。